次に、
「女性だからって就職に不利」であることは
そうあるべきかについて書きます。
経済的視点
まず、国が経済的に成長していくために、
労働力の確保や外国からの視線の面から見たら女性の社会進出は進められるべきです。
女性が社会進出することで、共働き家庭が増えることから日本の労働人口は増加します。
また、日本で働きたい海外の女性が日本に来ることにもつながるでしょう。
その上、海外では女性の社会進出が日本よりも進んでいる国があり
そのような国をよしとする文化がある以上、外国からの視線も良くなります。
女性が社会進出することでこれらのメリットはあると思います。
しかし、今現在の労働力は増加するが、未来の労働力はどうなるのでしょうか。
女性の社会進出が進めば、経済的理由で結婚するしか選択肢がなかった女性が、
結婚せずに済むことによって日本人の未婚率が上昇し、子供が減ることが考えられます。
その逆で、金銭的不安から結婚できない女性は減るかもしれません。
未来の労働力が減ると、海外企業は日本進出をするメリットが少なくなることや、
投資家が日本企業に投資してくれなくなること
日本企業が国内事業だけでは大きくなれなくなってしまうことなど、
国の経済的成長のためにはデメリットが多くあります。
つまり、女性の社会進出は経済的成長にとって重要な少子化対策という意味では
メリットもデメリットも考えられるということです。
しかし、女性の社会進出によって女性に対する視線が変わり、
上昇志向がある女性が今より増えることも考えられます。
それにより、高学歴を目指す女性や出世を目指す女性が増え、
国内の競争が今より激しくなり
全体的な学力やビジネスレベルの向上も考えられます。
そのため、女性の社会進出が経済的にもたらす効果はたくさんあるが、
現在の労働力を増やすためや、ビジネスや学力レベルの向上のためには良い。
未来の労働力を増やすために良いかはどちらとも言えないと思います。
分断的視点
平等論男女平等編③で書いた倫理的に正しくないようなことが、
当てはまる人と当てはまらない人がはっきり分かってしまうと分断が起きやすいです。
例えば、小さい頃の自分の担任の先生によって自分の将来の学力は少しは変わると思います。
しかし、自分の小さい頃の担任の先生が良い先生だったかあまりそうでなかったかははっきりと判断できません。
また、相性や勉強以外のところではよかったなど、さまざまな要素が考えられます。
そのため、倫理的に人が良くないと思うような不平等が、
教育現場で起こっている可能性はありますが、それによって分断は生まれません。
しかし、男性か女性かで不平等が起こってしまうと、
それはグラデーションではなくはっきりと分かれ、自分がどこに所属しているか自覚することが可能です。
そのため、このような不平等は分断を生みます。
分断的視点でみれば、「女性だから就職に不利」
である状況はあるべきではないと考えます。
そうあるべきかのまとめ
以上のことから、
「女性だから就職に不利」であることは
経済的視点の、
現在の労働力確保やレベルの向上、外国からの視線を重視するならそうあるべきでない
少子化対策の視線を重視するなら、そうあるべきだともそうあるべきでないとも言える。
分断を防ぐためには、そうあるべきでない
と言えるのではないでしょうか。
次章では、性の多様化や全体のまとめ、
このような議論をする際に考慮すべきことについて書きます。
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