平等論 男女平等編②の続きです。
正しいか②
「女性だからって就職に不利」な状況が存在するとしたらそれは倫理的に正しいのか書きます。
その話をするためには、人間は何をどこまで平等にするべきか考える必要がります。
例えば、みなさんは受験において生まれつき頭が良い人が有利であることは不平等だと思いますか。
ほとんどの人は、羨ましがったりはするかもしれませんが、不平等だとは思わないのではないでしょうか。
では、受験において家が金持ちな人の方が有利であることは不平等だと思いますか。
生まれつき頭が良い人と比べると、不平等であると思う人が多いのではないでしょうか。
どちらも、自分ではどうにもできないことだし、テストの点数が良くなるという結果も変わらないと思います。
むしろ、生まれつき頭が良い人はそこまで苦労せずに良い点が取れるかもしれませんが、
家が金持ちな人は、良い教育を受けさせてはくれるかもしれませんが、良い点を取るための努力はそれなりに必要だと思います。
しかし、頭が良い人が受験に有利であることは不平等ではなく、言えが金持ちの人が有利であることは不平等であると感じる人が多いのです。
そもそも、不平等であると感じるということは、結果の理由として認めるべきではないと考えているということです。
ここでは、受験に有利な理由として、生まれ持って頭が良いことは認めるべきだが、家が金持ちであることは認めるべきではないということです。
多くの人がそう感じる理由として、考えられるのが理由が自己完結しているかどうかです。
理由が自己完結しているかどうか
生まれつき頭が良いことは自己完結しているが、家が金持ちであることは自己完結していません。
また、努力できるかどうかもその人の性格次第ですが、それに対して不平等であるという人もいないでしょう。
逆に、生まれや社会制度によって不利が生じてしまうことは不平等であると感じるのではないでしょうか。
では、理由が自己完結していると不平等だと思われない理由はなんでしょうか。
それは、どうすることもできないからです。
頭の良さや性格は、誰かが操作することができません。
しかし、親が金持ちであることは、どんな子供にでも良い教育を与えるようにすれば有利である理由ではなくなるかもしれません。
そして、そのような環境は自分ではなく誰かが作ったものです。
このように、誰かが作ったまたは変えることができる環境によって、有利不利が決まってしまうことは不平等だと考えるが、
誰にも変えることができない自己完結している何かによって有利不利が決まることに対しては不平等であると思わないのです。
その上で、ではそのような不平等があることは倫理的に正しくはないのでしょうか。
それについて考える際に次は不平等でも許されている場合について考えます。それは他の選択肢が十分い良いされているかどうかです。
他の選択肢が用意されているかどうか
例えば、皆さんはバスケットボールというスポーツにおいて身長が高い人が有利であることは不平等だと思いますか。
先ほど述べた理由が自己完結しているかどうかでは、身長は自己完結しているように見えます。
しかしどうでしょうか、例えばルールを作った人がネットの高さを低く設定していたり、
何cm級などに階級ごとに分けることもできます。
つまり、身長による有利不利は環境によって変えることができるのです。
しかし、多くの人はこの不平等に不満はありません。
それは多くの人間は別にバスケをやらなくてもいいからです。
就職や受験は多くの人にとっては避けては通れません。
そのような場所では平等を目指す必要があるが、
別に避けて通ることができるバスケットボールにおいて不平等があることはそこまで問題ではないのです。
正しいかまとめ
正しいか①から、企業の利益のために男女で就職に対する有利不利があることは、
機能差の傾向や環境によって存在すること自体は正しいかもしれないが、
どの職業にはどちらの性別の方が有利であるかどうかの判断は完全にはできないため、正しいかどうかは分かりません。
その上で、正しいか②から、倫理的には多くの人にとって避けては通れない就職というシーンで
自己完結していない理由によって有利不利が決まってしまうことがるのであれば、それは正しくないと言えます。
そのため、
「女性だからって就職に不利なのは正しいのか」
に対する答えは、
①企業的にはそう判断する方が利益を追求する上では正しい可能性はあるが現状分らないため、企業ごとの判断に任せるしかない
②倫理的には、女性が不利である理由が自己完結していないのであれば正しくない
と考えます。
これを踏まえた上で、次章では
「女性だからって就職に不利」であるべきかについて書いていきます。
コメント